ずーっと、抱えていた想いがあります。
ものづくりをする者として、そして人として…。
1996年にパソコンを購入して、ネットの世界に足を踏み入れてから、かれこれもうすぐ20年になろうかとしています。
ネットオークションが始まった頃、アメリカに詳しい友人からその存在を教わり、参加してみたりしました。
当時はまだ、一般的にパソコンを持っている人も、ましてネットユーザーも周囲には一握りな時代。
ネットオークションの人口もそう多くはありませんでした。
それから2年ほどの間に、オークションは盛況になります。
わたしも、手作り品を出品したり、他の人の手作り品を見たりするのが好きでした。
そんな中、手作り品を出品している人の説明文に「写真を盗用しないで下さい」や「デザインはオリジナルなので真似しないで下さい」を見かけるようになります。
自分の作ったものでもないのに、お金になるからと平気で写真を盗用する人や、アイディアを盗む人がいるのかとショックを感じていた矢先、わたしの出品物の「説明文」がまるまる盗用されているのを発見。
腹が立つというよりは、あきれ、ちょっと笑ってしまいました。
説明文は自分の想いや作ったものへの説明をわかりやすく伝えるためのものなのに、それをそのまま人の文章を載せるなんて、意味あるの?と思ったんです。
一応、説明文には「説明文も著作権がありますので、この文章をそのまま掲載するような事はしないで下さい」を併記することにしましたが、なんとなくその頃からオークションからは足が遠のくようになりました。
それからまた5年ほどが過ぎて、ネット人口も爆発的に増え、SNSのmixiなどができました。
ここでも、日記の転載や、手作りコミュで見た作品をさも自分のアイディアのように自分のブログなどに載せる人が多く見かけられるようになりました。
コミュではかなり議論が白熱していた記憶もあります。
また、ブログも同様に増えて、色々見て回る事が増えたのですが、あるハンドメイド作家さんのブログに目がとまりました。
知っている人と同じ作風の作品が掲載されていたのです。
最初は「似た感覚の人がいるんだな」と思っていましたが、記事をいくつか読んでいくうちに、ある記事で「盗作」についてふれているものがあり、それを読んで愕然としました。
その方はずっと以前からオリジナルでその作品を作っていたのですが、別の人が盗作して、自分のブログなどでさも自分の作品のように掲載している、という内容でした。
頭の片隅で、つながりのある人の作品が浮かびます。
まさかそんなわけはないか…と思いながら、読み進めると、疑いの色合いがどんどん濃くなっていきました。
関連記事も全て読んだ頃には、もうそれは確信へと変わってしまいました。
「作品のこだわり」だと思っていたそれは、全てそのブログ主のオリジナルだったのですから。
音楽などではよく昔から「盗作騒ぎ」がありますよね。
最近ネットで見かけたものでは、とあるお笑いコンビの曲が某アイドルの曲に酷似しているとか。
まあ、このコンビの年齢的に考えても、こんな昔の、アルバムに入っているような曲から盗ったと考えるよりは「よくあるアイドル風の曲」を作ったと考える方が自然なんじゃないか、と個人的には思ってますが…。
わたしは昔、曲や詩を作っていた事もあったので、音楽などは知らない内に耳に入って来る事も多くて、それが自分の引き出しにストックされていて、気づかないうちにインスパイアされていて、それが作品づくりににじみでてくる…ということもあると感じています。
わたしも、雑貨屋さんなどで自分の作る手作り品とはかけ離れた品から、作品づくりのきっかけをもらう事もあります。
たとえば洋服をみていて、この技法ってバッグ編むのにいけるかも!とか。
そういうのは正しく、インスパイアだと思います。
でも、ものづくりをする上で、同じようなものを見て刺激をうけて、そこから少し改変したオリジナルを作った場合、それが完全オリジナルと呼べるのかな?という気持ちはあります。
わたしは基本的にあまり編み物本から作品を編んだりしませんし、いいなと思った場合も、自分がここはこうした方が好きだと思った場合はその部分だけを参考にしてオリジナルを作ったりしますが、それをここに載せたりする時は、その事をちらっとでも書いておかないと気持ちが悪いんです。(全て書き切れているかと言われれば書きそびれも多々あるかもしれませんが)
まして「これはわたしの完全オリジナルなんです!自分で考えたんです!」なんて間違っても言えません。
そこまで行くと詐欺ですよね…。
でも、最近はブログなど、作品の公の発表に限らず、たとえばSNSの記事などでもそういう事をよく見かけていて、ちょっとうんざりしています。
黙って載せているだけでもアレですが、コメントで「そのアイディアいいね!」と言われた事についての返答で「ネットで参考にした」とか「他の人が作ってたので真似した」とか言わず「こういう所に気を配りたいと思って」なんてコメントしていたりするのを目撃してしまうと「あれ…?」と思わずにいられません。
結構あるんですよね…「それ、この間共通の友人のところで見たよ?」とかいうこと…。
そういうのを見ると、昔のつながりがあった人が別の人の作品をそのまま盗用していた事が思い出されていやな気持ちになります。
盗用する人は「わからなければいい」と思っているんでしょうか。
それとも、アイディアをもらったことすら忘れてしまってるんでしょうか。
先日、パクツイで悩まされているイラスト描きの方が、アプリを開発されていたのがニュースになっていました。
こちらはBOTを使ってパクツイされている事が元なので、少し意味合いが違いますが、そこにある「作り手」の想いは同じだと思います。
よくわからないと思われる方は、この記事を読んでみて下さい。
http://spotlight-media.jp/article/136673855022356953#/
警察に相談に行くも、「宣伝されているようなものだから」と言われる始末…
作り手には、作り手の「想い」があります。
それをアイディアだけ勝手に持って行ってばらまかれる。
これほどの踏みにじられ方ってあるんでしょうか…。
盗用する人は、きっとそんな気持ちは全然理解できていなくて、自分がいい気持ちになれたらそれでいいっていうことなのでしょうか。
先日も、ブログの内容をそのまま転載している記事をたまたま見かけました。
ブログを書いている人は、この事実を知っているんでしょうか。
どちらが転載しているのかがわからないので(だいたい想像つきますけど)通報したりはしませんが、SNSですら盗用したものをコメントで気軽にやりとりされているような昨今、こんなブログって山ほどあるんでしょうね…。
クックパッドも今はとても盛況になっていますが、昔と比べて似たようなレシピが多かったり、中には文面も全く同じものがあったり。
先日はあるレシピを探していて見つかったのが、クックパッドと、別の人のブログで全く同じ記事。
ブログみて作った人が転載したんでしょうか…。
そこまでして載せたいのでしょうかね。
別にわたしは糾弾したいと思っているわけでも、裁きたいと思っているわけでもありません。
ただ、それを平気でやる人のことは、人として信用できないと感じてしまいます。
SNSなどでつながりがあって、日記や記事などを目にしても、「ああこの人の作品は素晴らしいな」などとは思えなくなります。
作品を盗用ということに限らず、たとえば他の人に教えてもらったお店を、さも自分が発見したかのように人に教える人なども同じように感じます。←よくいますよね、こういう人。
わざわざ「人から教えてもらった」って言う必要あるの?という意見もあるかもしれないし、もちろん、人間って言いそびれとか忘れてしまっていたなどもあるでしょうが、それが何度も重なると「この人はそういうのを平気でやって、自分への賞賛が欲しいだけなんだろうな」と思うと、その人の作品や言葉に、いくら力があっても、感動や賛同はできなくなります。
心が狭いというよりは、人としてどうありたいか、という事に尽きると思うんですけどね…。
珍しくヘビーな内容の記事になりましたが、この所重なって色んなところで同じようなものを目にしてしまい、もんもんとしていたので、思わず書いてしまいましたが、自分自身への戒めも含め、公開したいと思います。
みなさんはこんなことをされた経験ってありますか…?